県観光、世界遺産周遊展開も 奄美2島の登録効果に期待
2021年06月04日
社会・経済
県や県観光連盟、観光関係団体などで構成する「観光かごしま大キャンペーン推進協議会」(会長・塩田康一知事)の総会が2日、鹿児島市内のホテルであり、2021年度の事業計画などを承認した。奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録を見据え、既に登録されている屋久島や明治日本の産業革命遺産と合わせた三つの世界遺産を「他県にない県の目玉」とし、積極的な情報発信や誘客キャンペーンなどに取り組む。
協議会は、県観光課が事務局となって進める重点戦略事業と、県観光連盟が事務局を担う一般事業が活動の柱。21年度は、新型コロナウイルスの感染拡大による環境変化に対応できるよう各種事業を展開し、アフターコロナを見据えた観光の付加価値向上や、県内広域に波及効果がある観光周遊ルート作りにも取り組む。
県内三つの世界遺産を生かした取り組みは、重点施策事業のうち「テーマ性のある観光キャンペーン」の一環。奄美関連ではこのほか、奄美群島航空・航路運賃軽減協議会の委託事業である「奄美・沖縄」観光交流促進事業として、両地域の魅力発信に向けた共同プロモーションや、奄美群島と沖縄の周遊ルート作りなどを継続する。
塩田知事はあいさつで、国際自然保護連合(IUCN)が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録を「適当」と勧告したことに触れ、今夏の正式登録に期待。「鹿児島県は三つの世界遺産を有する国内唯一の県となる。沖縄との周遊、連携など、離島を含めた観光振興にしっかり取り組む」と述べた。